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2024年9月11日
むし歯→①金属の詰め物→再発→②大きく削って銀歯→再発→③神経を取る治療→再発→④神経の治療→再発→⑤残っている歯が少ないため、抜歯
よくある歯の経過ですが、なぜこのようなことが起きるのでしょうか?
歯科治療というのは、すべての治療ステップをしっかりと行うことで最大限の効果を発揮し、再発までの期間を延ばすことができ、結果、自分の歯を長く使用することができます。
しかし、保険診療というのは全国一律で診療報酬という金額が決まっています。
そのため、一度に複数の患者さんを診て2−3分で終わらせても、時間をしっかりとかけて治療を行っても同じ金額になります。
例えば下記のような感じです。
【むし歯治療】
治療前のようにべたっと詰めるだけしても、治療後のように形態をしっかりと作り上げても同じ金額です。
【根管治療】
いわゆる神経の治療です。
いかに歯の中を無菌に近い状態で治療するか、唾液中の細菌を歯の中に入れないか、というシビアな条件が求められる治療です。根管治療が不十分だと、その後に良い被せものを入れても再発しやすくなり、抜歯に近づきます。
日本の根管治療の診療報酬は世界的に見ても圧倒的に低いため、時間をかけて治療することは困難です。そのため、日本の根管治療の成功率は30ー50%と言われています。
このように、むし歯が残っており、かつ、唾液が絶えず歯の中に侵入する環境下で治療しても
むし歯をしっかりと削り、唾液が侵入しないように「隔壁」というプラスチックで歯に堤防を作ったうえで治療しても、同じ金額です。
もちろん隔壁を作った場合、保険点数には反映されないため、いわゆる赤字診療になります。
(たまにネットなどで、歯医者は再診料で儲けるために何回も通わせる、削りたがる、という意見を見かけますが、見当違いです。再診料は10割負担で600円程度ですが、皆さんに使用する器具は滅菌して、ひとつひとつ梱包しています。その手間と材料代を考えると全く儲けになりません。
また、治療の報酬は昭和からほぼ横ばいです。物価や人件費の高騰にも関わらずです。)
このように、保険診療と自由診療の一番大きな違いは、
『時間と材料をかけて、一つ一つのステップをしっかりと行えるかどうか』です。
保険治療で経営的にも、クオリティ的にも問題ない範囲で行うとすると、すべての治療ステップを踏むことはできず、
途中のステップを省略して行います。
結果、短期的には問題ないように見えても、長期的に見ると大きな差が生じます。
悪くなったら再治療すればいいや、と言う方もいますが、治療を行うたびに大きく歯は削られていきます。
そして、残っている歯が少なければ少ないほど、治療難易度は上がり、再発までの期間は短くなります。
なので、むし歯が小さいうちに自由診療でしっかり治しておく意義はとても大きいのです。
安いからといって安易に保険治療を繰り返していると、治療回数は多くなるためにトータルの医療費はかかり、抜歯までの期間は短くなります。結果、QOL(生活の質)も下がってしまうことになります。
そのため、我々歯科医が自分の歯や家族の歯を治療する際に、保険治療を選択することはほとんど無く、自由診療のクオリティで治療を行います。
患者さんにもなるべく上質な医療を提供したい、そういった想いから自由診療をお勧めしております。
もちろん様々な制約はありますが、保険診療も可能な範囲で丁寧に行っていますのでご安心ください。
長くなりましたが、当院の提供したい治療例を最後に提示します。
(治療事例のページで、随時アップしております。治療にお悩みの方は参考にされてください)
【初期〜中等度のむし歯】
基本的に、メタルインレーは行いません。
歯を削る量を最小限にできるダイレクトボンディングを行うことで、再発が起こったとしても、再度あまり歯を削らないダイレクトボンディングを行うことができるかもしれないからです。
メタルインレーが再発した場合、その多くは被せものへと進み、一気に歯の量は減ります。
【大きな虫歯】
大きなむし歯であれば、再発しやすい保険治療の被せものは行わず、汚れがつきにくく、長期的に安定するセラミックの詰め物や被せものを使用します。
【神経に達するむし歯】
残せそうな神経であれば、むし歯に侵された神経だけ除去し、MTAを使用した神経保存療法を試みます。
【根管治療】
キレイにしているのか、感染させているのか分からないような治療ではなく、ラバーダム下での精密治療
【歯を失った場合】
周りの歯に負担をかけないインプラント
片方の歯の裏側を、一層だけ削る接着性ブリッジ