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根管治療はなぜ失敗する?歯科医師が本音で解説します!!
2026年1月24日
「神経の治療をしたはずなのに、また腫れてきた」
「何回も根管治療をやり直している」
このようなご相談は、日常診療でとても多くあります。
根管治療(いわゆる神経の治療)は、歯科治療の中でも特に難易度が高い治療です。
今回は、歯科医師の立場から
「なぜ根管治療は失敗することがあるのか」を、解説します。
根管治療が失敗する主な原因
① 根の中は「非常に複雑」

歯の根の中(根管=上図の赤い構造)は非常に細く、
・とても複雑に枝分かれしている
・途中で曲がっている
・人によって本数が違う
といった特徴があります。
肉眼だけで処置を行うと、
未処置の根管が残ってしまうことがあります。
② 細菌を完全に取り切ることが出来ない
根管治療の本質は
👉 細菌の除去と再感染の防止です。
しかし、
唾液が入り込む
無菌的な処置ができていない
治療回数が極端に長い
といった条件が重なると、
細菌が残りやすく、再発の原因になります。
③ CTを使わない診断の限界
通常のレントゲンでは、
根の先の病変
隠れた根管
が分からないことがあります。
CT(3次元画像)を使うことで
原因がはっきりするケースは非常に多いです。
レントゲンでははっきりしない骨の問題も、CTであれば病変が黒くなって見え、根の周りの骨がどの様に溶けているかが鮮明に分かります。
④ 治療環境・器具の違い
根管治療の成功率は
「誰が」「どんな環境で」行うかに大きく左右されます。
例えば
ラバーダム防湿
マイクロスコープ
使用する薬剤・充填材料
これらは成功率に直結します。
保険治療と自費治療の違いについて
ここは誤解されやすい点ですが、
保険治療=悪い治療ではありません。
ただし、
かけられる時間
使用できる器材
治療の自由度
に制限があるのも事実です。
そのため
「再発をできるだけ防ぎたい」
「歯を長く残したい」
という方には、精密治療が向いている場合があります。
当院の考え方
当院では、
可能な限り歯を残す
無理な治療は勧めない
治療するメリットだけでなく、デメリットも正直に話す
ことを大切にしています。
根管治療は万能ではありませんし、歯を抜く治療よりも歯を残した治療の方が難しく、茨の道となることもあります。
それでも、適切な診断と環境があれば、歯を残せる可能性は確実に高まります。
まとめ
根管治療が失敗する原因は「技術だけ」ではない
診断・環境・再感染防止が非常に重要
再発を繰り返している場合は、原因を見直すことが大切
気になる症状がある場合は、早めの相談をおすすめします。
執筆者
プロフィール
伊藤 崇史Takafumi Ito
ほまれ歯科医院 院長
当院では、「的確な診断」→「しっかりとした説明」→「拡大視野下における精密治療」→「むし歯・歯周病の再発の予防」といった流れで患者さんごとのニーズに合わせた診療を行なっております。
- 【経歴】
- 2011年3月新潟大学歯学部 卒業 2011年~2012年新潟大学医歯学総合病院・歯科総合診療部 2012年~2016年新潟大学医歯学総合研究科・う蝕顎分野 2015年~2016年新潟大学医歯学総合病院
- 医療連携口腔管理チーム 歯内療法担当
- 【所属】
- 日本審美歯科学会
- 日本顕微鏡歯科学会




