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精密根管治療 & セラミック治療 : 無症状で虫歯が進行していたケース
2022年10月13日
こんにちは、院長の伊藤です。
今回は私の専門である精密根管治療と、セラミック治療についてです。
治療前
40年以上前に入れたセラミックの被せものですが、適合が悪いために汚れがたまりやすい状態で、
根元にむし歯が出来ています。
なるべく再治療のリスクを下げるため、
自費の精密根管治療を行った後にセラミックの被せものを作り直すことに。
①被せものを外し、
②金属の土台を削り取り、
③検知液を使用して虫歯をしっかりと除去後
④無菌的に治療を行うために隔壁を作ります。
術前レントゲン
根っこの先の骨が溶け、黒くなっています。
40年以上前の治療でこの程度なので、
特に治療の必要はありませんが、
新しくセラミックを作るため精密根管治療を。
ラバーダム+マイクロスコープ
根管(神経の入っていたスペース)が虫歯でぐちゃぐちゃで、手付かずの根管もありました。
マイクロスコープで綺麗に!!
一個上の画像と比べると、ボソボソだった歯の中がクリアになっていることが分かると思います。
根管充填後
なるべく歯根破折を防ぐためにファイバーコアで土台をたて、拡大視野下できれいに削ります。
ジルコニアセラミックを装着!!
最後にビフォーアフターです。
いい感じに治療ができました。
しっかりと定期検診に来ていただいてる方なので、長く残せるように頑張りましょう!
セラミック治療の前に精密根管治療!
2022年9月10日
自由診療の根管治療を行なってから銀歯をセラミックに変えてほしい、とご希望されました。

銀歯、金属製の土台、むし歯をしっかりと除去し、細菌の侵入を防ぐため『隔壁』を製作しました。
この隔壁がないとラバーダムがかけられず、適切な仮蓋の厚みもとれません。
隔壁をしっかり作ってから根管治療をするかどうかで、治療結果が変わると思っています。

レントゲン画像
二股に分かれた様な歯根ですが、赤丸で囲んだ部分は治療がされておらず、
黄色矢印の骨には膿が溜まっています。

ラバーダムを装着し、マイクロスコープ下で治療を行います。
これは耳かきのような器具で、根管内の汚れと、感染した古い薬剤を取り除いています。

根管充填後
角度を変えて撮影することで、すべての根管にしっかりと薬剤が詰まっていることを確認!
いい感じに治療ができました。

半年後
ファイバーコアをたて、仮歯の状態です。
術前にあった根尖病巣も治癒していますので、これならセラミックへと進んで問題なさそうです。
オフィスホワイトニング : 黄色くなった歯を最短で白く!!
2022年8月28日
今回は歯が黄色くなってきて、気になっている方のホワイトニングです。
ホワイトニングには3種類あり、
①ホームホワイトニング
お家でマウスピースに薬剤を入れ、自分でやるホワイトニング
・即効性はないが、白さの維持は長く続きます
・1日2-4時間装着します
②オフィスホワイトニング
・歯科医院で光を当てて行うホワイトニング
・即効性があり、2回程度で希望の白さになることが多いです
・①より白さの維持は短いです
③デュアルホワイトニング
①と②を両方行うホワイトニング
・単独よりも白くなり、白さの維持も続きます
マウスピースを一定時間つけていることが難しいということで、
今回は②オフィスホワイトニングを2度行いました。
術前
術後
黄色味がかっていた歯がきれいになり、大変喜んでいただけました!
奥歯のジルコニアセラミック治療
2022年7月22日
奥歯は見えないから銀歯でいいや、
と思ってませんか?
奥歯は特にブラッシングが難しく、段差のある被せ物が入っていては再治療まっしぐらです。
また、奥歯がしっかりしていないと、噛み合わせの負担がきてしまい前歯もダメになります。
白いから自由診療、というわけではありません。
良い材料を使い、再発を防ぐよう精密治療を行うためにしっかりと治療時間を確保して行うことが自由診療の意義と考えております。
さて前置きが長くなりましたが、銀歯が外れたという患者さん。
虫歯が大きく根管治療を行なったのち、なるべく再発までの期間を伸ばしたいとのことで、
強度のあるジルコニアセラミックを入れることに。

レジンコアという歯の土台をたて、セラミック用に歯の形を削って整えたところです

シリコンを使用した精密な型取り
しっかりと削った輪郭が確認できるか、マイクロスコープで確認しています


ジルコニアセラミックをセット(一番右)
段差のない適合のいいセラミックが入り、いい感じに治療ができました!!
神経保存療法 : 神経に及ぶ大きい虫歯から若年者の神経を守ったケース
2022年5月25日
術前
どこに虫歯があるか分かるでしょうか??
歯科医師でも見逃しが起きやすい虫歯です。
レントゲンを撮ると大きな虫歯が出来ていることがわかります。
このような大きな虫歯でも症状なく隠れて進行することがあり、
自分で自覚することは不可能です。
虫歯を慎重に削っていましたが、露髄(神経が出ること)してしまいました。
このような場合、神経を取ってしまうことが多いですが、
ほまれ歯科では徹底した神経の保存にこだわります。
セラカルというMTA系のセメントで神経をカバー。
コンポジットレジンできれいに詰めます。
確認のレントゲン。
神経を除去すると、歯根破折(根っこが真っ二つに割れること)が起き、抜歯となるリスクが神経のある歯より格段に高くなります。
しかも今回は10代の患者さんだったため、神経を保存できたことは歯の寿命、
さらにはQOLの維持に役立てたかなと思います。
1日で白い詰め物へ-ダイレクトボンディング vs CEREC
2022年4月22日
こんにちは!院長の伊藤です。
今回は1日で歯を白く詰められる治療法(ワンデートリートメント)についてです。
CERECというのはCAD/CAMというシステムを利用してセラミックのブロックを削り出し、即日で白い詰め物や被せものを入れる治療法です。
セラミックを使用するため、強度が高く、プラークもつきにくいため非常に良い治療です。
しかし、ピッタリとした適合を得るのは非常に難しく、適合の悪いセラミックが接着剤でなんとか保持されていることもあります。
またセラミックの強度を得るために歯を削る量が多くなる、という欠点があります。
いくらセラミックといえど、ピッタリと合っていないと汚れがたまり虫歯の再発の原因になってしまいます。
そのため当院ではセレックシステムを今のところ採用しておりません。
さて、当院で行っているワンデートリートメントは何度もご紹介していますが、
ダイレクトボンディングという治療法です。
治療例
(治療時間 : 2本で1時間)
(治療時間 : 2本で1時間)
ダイレクトボンディングの利点として、
①歯を削る量が最も少ない
→削った穴に直接詰めるので健康な歯を削ってまで形態を整える必要がなく、
またセラミックの強度を得るための余分な歯を削る必要がありません
②即日修復が可能
③最も虫歯リスクの少ない状態で治療
→型取りが不要なため、次回来院までの間に汚れが付着することがありません
④修理が可能
→メタルやセラミックが破損した場合は原則作り直しになりますが、ダイレクトボンディングでは欠けたところを詰め直すことが可能です。
ただダイレクトボンディングにも
①セラミックと比較するとプラークが付着しやすい
②強度が劣る
③経年的な着色が起きる
*研磨をし直すことで改善は可能です
といった欠点があります。
CERECでもインストラクターの資格を持っている先生の治療は非常に適合も良く美しかったですが、
当院ではこういった理由からダイレクトボンディングをワンデートリートメントの軸にしています。
前歯を失った方へ : 歯を極力削らない接着性ブリッジ
2022年4月9日
術前
他院にて抜歯後、歯・神経をなるべく保存してくれる歯科医院を探していたところ、
当院のHPをご覧になり、来ていただきました。
歯茎のボリューム不足については特に気にならないとのことでしたので、
他のむし歯治療を行いながら歯茎の治りを待ちました。
むし歯を保険のコンポジットレジンで治したところです。
拡大鏡で治療し、
マイクロスコープで最後チェックしましたが、いい感じです。
さて、一本ない歯に対し、どんな治療法があるかというと、
①インプラント
②両隣を被せ物にしたブリッジ
③ダイレクトブリッジ
④接着性ブリッジ
⑤入れ歯
と、色々あります。
それぞれをご説明した所、
セラミックで綺麗な歯にすること、
なるべく歯を削らず、外科処置も避けたい、とご希望のため、
セラミックを使った接着性ブリッジに!
どんな感じで治すかというと、
分かりますかね?
隣の歯の裏側をエナメル質の範囲内で一層削ります。

模型で見ると、こんな感じです。
赤点線が削ったところで、かなり小範囲のみ削っています。
従来のブリッジと比較してみると。。。
削る量が全然違いますね。
さて、後は装着していくのですが、
歯をほとんど削らないため、接着が最重要ポイントになります。
お口の中は湿気だらけで接着力が損なわれてしまいますので、ラバーダムを装着。
プラークを染め出しして、パウダークリーニングで徹底的に見えない汚れを除去して、セット!
裏側から呼気が漏れないように型取りの材料で穴を防いだり、手間がかかりますが、
やれることを精一杯やります。
最後にビフォーアフターです。

こんな感じに。
ここまで時間がかかったので周りの歯が白くなってますが、表面性状や形態、色も綺麗に作ってくれました。
なるべく歯を削りたくない、インプラントは外科処置で怖い、といった方におすすめの治療です。
気になる方はご相談ください!
治療の前に、まず診断!
2022年4月4日
こんにちは、院長の伊藤です。
歯の痛みや歯ぐきが腫れて来院された際、すぐに削って治療になる、と思っている方がほとんどだと思います。
しかし実際は、原因の歯をしっかりと診断するには時間がかかり、本格的な治療は次回以降になることがあります。
歯科治療においては診断を誤ると、不必要に歯を削られたり、取らなくても良い歯の神経を取ったり、最悪抜歯されてしまうケースがあります。
先日初診で来られた患者さんも、膿が消えないため1年間同じ歯の根管治療を行ったが改善せず、診査の結果原因は隣の歯で、
当院で根管治療を行ったら次の回には歯茎の膿が消えた、と言ったケースがあり、
大変喜んでいただきました。
さて、一例です。
痛みはないが歯ぐきが腫れてしまったので治療を受けたい、と来られた患者さんです。
青矢印のところに歯ぐきの出来物が出来ています。
神経が死んで長期間経過すると、骨の中に膿が溜まり、行き場がなくなってしまいます。
すると、膿が逃げ場を求めてこのように歯茎に膿の出口(サイナストラクト)を作ります。
骨の中の膿がここから出ているため痛みといった症状がなく、気づかれないことも多いです。
こうなると根管治療を行わないといけないのですが、まずは原因となる歯を診断します。
レントゲンを撮影すると

























